最近の労使間トラブルに関する裁判例


裁判例38:組合活動と名誉棄損

 

東京地方裁判所平成30年3月29日判決(判例タイムズ1454号147頁)

 

 

 「本件見出し等の掲載等が原告らの名誉を棄損する違法な行為であるとしても、本件見出し等によって摘示された事実が真実であるか否か、真実と信じることについて相当な理由が存在するか否か、本件見出し等の掲載等の目的及び態様等の一切の事情を総合考慮し、正当な組合活動として社会通念上許容される範囲内のものである場合には、本件見出し等の掲載等の違法性は阻却されるものと解するのが相当である」と判示して、事案の解決としても、違法性を阻却する旨の判断を示した。

 

 ちなみに、労働組合法8条は、争議行為についてのみ民事免責を認めたようにも読めるが、通説は、争議行為以外の正当な日常的組合活動についても、民事免責を肯定する。