民事再生法の条文ポイント

第12条(登記のある権利についての登記等の嘱託)


1 次に掲げる場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、当該保全処分の登記を嘱託しなければならない。

 一 再生債務者財産(再生債務者が有する一切の財産をいう。以下同じ。)に属する権利で登記がされたものに関し第30条第1項(第36条第2項において準用する場合を含む。)の規定による保全処分があったとき。

 二 登記のある権利に関し第134条の2第1項(同条第7項において準用する場合を含む。)又は第142条第1項若しくは第2項の規定による保全処分があったとき。

2~5(省略)

ポイント解説: 

 保全処分の登記をすべき場合には、①再生債務者財産に属する権利で登記がされたものに関し、仮処分等がされた場合(法30条1項)、②否認権を保全するために必要な処分として、仮差押え又は仮処分がされた場合(法134条の2第1項・7項)、または、③法人である再生債務者の役員の責任に基づく損害賠償請求を保全する目的で、役員の財産に対する仮差押えがされた場合(法142条1項・2項)がある。

 個々の財産についての保全処分の登記の嘱託は、保全執行の方法にあたり、保全処分が発令されても、登記がされるまでの間は、第三者との関係では対抗することができず、処分制限効は生じないが、登記後は、第三者の善意・悪意を問わず効力が及ぶ。