民事再生法の条文ポイント

第7条(再生事件の移送)


裁判所は、著しい損害又は遅滞を避けるため必要があると認めるときは、職権で、再生事件を次に掲げる裁判所のいずれかに移送することができる。
一 再生債務者の主たる営業所又は事務所以外の営業所又は事務所の所在地を管轄する地方裁判所

二 再生債務者の住所又は居所を所在地とする地方裁判所

三 第5条第2項の規定する地方裁判所

四、五省略

ポイント解説: 

 本条のよる移送は、職権によるものであって、再生債務者や利害関係人には移送の申立権はない。

 移送により、再生事件ははじめから受移送裁判所に係属していたものとみなされる(法 18条民事訴訟法22条3項)ので、移送裁判所が移送前にした中止命令、保全処分等の裁判の効力は、移送後も維持されると解される。また、本条の移送決定に対しては、民事再生法に即時抗告を認める旨の特別の規定がないので、利害関係人は、この移送決定に対して不服申立てをすることができない。