不動産トラブルに関するよくある質問

Q75:設計の瑕疵が法令違反である場合、施工業者に責任追及する際の問題点は何ですか?


回答: 建築士のような設計の専門家の関与が必要な工事の場合、建築士が施工業者と一体といえる場合には、施工業者に責任追及ができることになります。ただし、既存建物を前提とするリフォーム工事の特性上、一般的な調査義務が尽くされていれば、法令違反が発生しても、債務不履行責任は追及できない可能性があります。
他方、建築士の関与が求められない規模のリフォーム工事の場合は、
① 施工業者が建設業者の場合は、建設業法の目的である注文者保護や公益目的に照らし、建設業許可を得ている工事の種類及びそれに付帯する工事内容に関しては、建築関係法令に適合した設計をすることが求められているため、その責任追及は可能です。
② 施工業者が建設業許可を有しない場合は、建設業法1条の目的は及ぶものの、建設業許可のある者ほどには能力を期待できないことが前提となります。ただし、その場合でも、建設業法3条1項にいう「軽微な建設工事」以外は許可が必要とされていることに照らし、その金額を超えたリフォーム工事を実施している場合には、建設業者と同等の責任を追及することは可能と考えられます。
逆に「軽微な建設工事」の金額以下の場合は、約定違反型と同様、個別の約定の検討が重視されることになります。