民事再生法の条文ポイント

第40条の2(債権者代位訴訟等の取扱い)


1 民法(明治29年法律第89号)第423条若しくは第424条の規定により再生債権者の提起した訴訟又は破産法の規定による否認の訴訟若しくは否認の請求を認容する決定に対する異議の訴訟が再生手続開始当時係属するときは、その訴訟手続は、中断する。

2 再生債務者等は、前項の規定により中断した訴訟手続のうち、民法第423条の規定により再生債権者の提起した訴訟に係るものを受け継ぐことができる。この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。

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ポイント解説: 

 再生債権者の提起した債権者代位訴訟が再生手続開始時に係属していたときは、再生手続開始により中断し(本条1項)、再生債務者等においてこれを受継することができる(本条2項前段)。なお、受継の申立ては、訴訟の相手方においてもすることができる(本条2項後段)。相手方は勝訴することの期待利益を有しているからであり、再生債務者等らはこれを拒めないものと解される。

 再生債権者の提起した詐害行為取消訴訟が再生手続開始時に係属していたときは、再生手続開始により中断し(本条1項)、否認権限を有する監督委員または管財人においてこれを受継することができる(法140条1項前段)。なお、受継の申立ては、訴訟の相手方においてもすることができる(同項後段)。相手方は勝訴することの期待利益を有しているからであるが、否認権限を有する監督委員または管財人がこれを拒むことができるか否かについては、見解が分かれている。