近時の重要判例


共同経営の合意と労働者性

東京地方裁判所平成29年5月17日判決(判例タイムズ1459号172頁)

「被告代表者が、多額の初期費用を負担したことについても、共同経営者間における費用負担の合意としてこのような合意をしたとしても直ちに不合理なものということはできない。また、原告は、平成26年9月以降と同年8月以前で原告の労働実態に変化がないことが、労働者性を基礎付ける重要な事実であると主張するが、被告は、原告の出退勤の状況を踏まえてタイムカードの打刻を求めるようになるなど、労務管理の方法を変えており、労働実態に変化がないとはいえない。また、労働実態に大きな変化がなかったとしても、本件店舗のおよそ1年半の売上を踏まえ、原告が、本件店舗を被告と共同経営するとの合意を解約し(その結果、売上に連動した利益を取得することはできなくなる。)、安定を求めて固定給の労働契約に切り替える旨の合意をすることも特段不合理な経過であるということはできないから、これをもって労働者性を基礎付ける重要な事実と評価することはできない。」