遺産相続に関するよくある質問

Q26:払戻金の使途(Q20、Q24参照)に関する証拠の有無が、使途の認定に与える影響について、場合を分けて教えてください。


回答:日常の食料品や衣料品に対する支出、寺院に対するお布施などは証拠が残りにくいものであるものの、それ自体さほど高額に及ぶものではなく、また、従前の生活状況から一定の範囲では支出の存在が当然に推認されるので、払戻し行為をした相続人の側で、使途についてある程度説明がつくのであれば、一定の範囲内では、証拠が多少手薄であっても、当該使途が認定されることになると考えられます。これに対し、不動産の購入費用など、特別の使途については、証拠が残っているのが通常であることから、証拠がない場合、証拠が残っていないことについて合理的に説明できなければ、当該使途の認定がなされないことになると考えられます。